設置場所を考える

実験機器を置くスペースを確保する

実験機器に電源を入れて、動作させた場合でも安全に実験ができる環境であるか確認する

  • モータなどは振動、回転した場合の安全性を考慮する
  • 騒音などが発生する機器は、周辺への影響を考慮する

配電盤の前に物を置かない

取扱説明書などを見て、定格を確認する

コードのプラグ部分などを見ると定格が書かれています。家電製品にも定格(消費電力)が記載されています。

電源の延長ケーブルには、一般的に定格が1000W、1200W、1500Wのものがあります。

研究室内のブレーカーを調べる

ブレーカーは、漏電、漏電による感電防止、電気の使いすぎを防ぐために設置されている。

A. 定格の表示
このブレーカは電圧AC100/200Vで30Aまで利用可能なブレーカーであることがわかる

B. 漏電表示ボタン
漏電時にボタンが飛び出る。 ボタンの色は黄色または白色)

C. テストボタン
押下時に漏電表示ボタンが飛び出し、スイッチが切れれば正常。月に1回程度テストボタンを押下し動作確認をする。 (ボタンの色は赤色、緑色、灰色のいずれか)

電気コードなど配線ルートを考える

配線ルートについて

以下のようにコーヒーメーカー(800W)とオーブントースター(1300W)を同じコンセントにつないで利用するとケーブルの定格を超えます。

コーヒーメーカー(800W)とオーブントースター(1300W)を別なブレーカーの系統から取ることで消費電力を超えずに利用できます。

タコ足配線はしない

コードやコンセントが非常に熱くなり、 この熱でコードの被覆やコンセントなどが溶け、ショートや火災の原因になります。

系統ごとに配線を分ける。
許容電流の合計に注意すること

電気器具の消費電力の確認

使用する電気器具の消費電力を確認し、余裕をもった電流容量のものを使用する。電熱機器などには、耐熱性のあるものを選ぶ。

【コードおよびキャブタイヤケーブルの許容電流(単位:A)】
太さ
(公称断面積)
(mm2)
線心の構成
(本数/直径)
(mm)
コード キャブタイヤケーブル
ビニル
(耐熱ビニルを除く)
・天然ゴム
耐熱ビニル・
クロロプレンゴム
ビニル(耐熱ビニルを除く)
・天然ゴム
2心 3心
0.75 30 / 0.18 7 8 12 10
1.25 50 / 0.18 12 14 16 14
2 37 / 0.26 17 20 22 19
3.5 45 / 0.32 23 28 32 28
5.5 70 / 0.32 35 42 41 36
8 50 / 0.45 51 44
14 88 / 0.45 71 62
22 7 / 20 / 0.45 95 83
30 7 / 27 / 0.45 110 98
38 7 / 34 / 0.45 130 110
50 19 / 16 / 0.45 150 125
60 19 / 20 / 0.45 170 150

※データ関東電気保安協会より

装置を設置し、電源コンセントをつなぐ

学内に設置された電源コンセントは、主に2Pプラグ用と3Pプラグ用があります。

2Pプラグ用コンセント(一般家庭に多いタイプ)
3Pプラグ用コンセント
【2P電源コンセント使用の場合】

3Pプラグを2Pプラグ用コンセントで使用する場合は3P-2P変換プラグを使用します。

変換プラグ(3P→2P)
【3P電源コンセント使用の場合】
3Pプラグ

アース(接地)の確認

配電盤にはアース端子があります。機器から電流が漏れた場合でも、接地されていれば、アース線に電流が流れ、感電事故の防止になります。

必要に応じて3Pプラグ用コンセントを使用するか、アース線で接地できるようにします。

電源コンセント3Pアース付
コンセントに電子レンジの電源(2P)とアース線を接続

装置の電源を入れる

実験の準備ができました。早速電気を入れて問題ないか確認しよう。

定期的な点検・メンテナンス

電気設備・電源コード類を点検する

電気設備に異常はないか、コンセントやプラグが破損していないか、コードにキズはないか、定期的に点検する。

差しっぱなしコンセントは、埃の掃除をする

1年中、差しっぱなしの状態で使用しているコンセントは、埃やゴミがつかないように掃除機や乾いた布で掃除してください。

ホコリを溜めたままでいると
発熱し発火する場合があります。
定期的に空葺きで掃除をする。

事故事例

接地不良による火災

適切なアース線を利用していなかったため、針金が発熱し覆っていたビニールカバーが燃えた事例。